2011年3月29日火曜日

ふと宮沢賢治を思い出す

ふと、「もし今、宮沢賢治が生きていたら、どうしているだろう?」と考える。

今、震災の被害の大きかった場所では、消防団に、警察に、自衛隊に、ボランティアに、海外からの支援隊に、いろんな人が我が身を振り返らずに、苦しみ、困窮した人々のために一心にはたらいている。

宮沢賢治の血は脈々と引き継がれていて、
私も気が付かないところで、いろんな人が支え、守ってくれているのが分かって、
心の中がふわっと温かくなる。

2011年1月25日火曜日

[プロボノ日記] その数、64枚

誕生日の飲み会の楽しい余韻にまだ浸る中、前回青い空さんにプレゼンしたリニューアルサイトのレビュー結果が届く。

青い空さんがレビューをした上での修正依頼は、フリーランスをしているチームメンバーの事務所にFAXで届くことになっていたが、締切の日に届いた A4 の FAX は、その数 64 枚!

送信用紙を除いてもこの枚数。
彼の FAX が紙ではなく、データで受信するようになっていたから良かったものの、作成したウェブページ数は全部で 32 ページだから、平均して各ページに 2 ページずつ修正原稿が作られたことになる。

さすがに、楽しい余韻も一気に吹き飛ぶ量…。

誕生会を口実に飲み会をしてみる

待ち焦がれなくとも毎年やってくる誕生日。

昔はプレゼントやパーティが楽しみで待ち望んでいたこの日が、年が経つにつれ、段々と疎ましい存在になっていく。

どうせ年を取るなら、楽しく取った方がいい。

今年はそんな発想の転換で、誕生日の前日に、知人をお気に入りのイングリッシュ・パブに集めて飲み会を開いた。

イギリスにいた頃は、よくこうして自分で自分の誕生会を開いて人を呼ぶことが多いけれど、日本ではなかなかそうした機会はない。それに、主催者側は呼んだ人全員のことを知っていても、その場に知らない者同士が集まる会というのもなかなかない。

知らない人同士で気を使ってしまって、居心地が悪くなったりしないだろうか…と心配にもなったけど、「誕生日なんだから、主催者が楽しければそれでいいと許してもらえるだろう」と開き直って、声をかけられる範囲で招待状を送った。

Facebook の Event 機能はいまいちだったけど、蓋を開けてみれば予想外な来訪者が次々と集まって、皆和気あいあいと楽しい時間を過ごせたのは、何にも増して嬉しいサプライズ・プレゼントだった。

なあんだ、知らない人同士でも結構楽しめるものじゃないか、ととても楽しい気分で過ごせた誕生日(の前日)。

ギリギリまで開催を迷って、限られた人にしか声をかけられなかったけど、それぞれ想いのこもったプレゼントを手に現れてくれて、新しいつながりもできて、こんなに楽しいなら来年も開いてみよう。

本当に集まってくださった素敵な皆さん、ありがとうございました!

2011年1月22日土曜日

英語とプログラミングの学習に通じるもの

先週から、再び土曜日の朝は英語のコースを受講中。
初日だった先週、最後の授業から 1 ヶ月と経っていないのに「ことばが出て来ない!」と唖然とする。

そもそも職場で英語も使ってて、昨日も英語のメールは来てたし、方々から英語で電話する声だって聞こえて、耳になじんでいるはずなのに。

いや、どうも英語だけでない、日本語も。これって休みぼけ…?
言語能力を司る脳の退化に愕然。
そういえば、最近は会社でも英語を話す機会が減ったんだっけ。ちょっとサボるとこうも衰えるものかと恐ろしくなる。

2 週目の土曜日、先週よりは少し早くことばが出てくるようになった気がして、少し安心。でも気は抜けない。

このところ、プロボノ プロジェクトで久しぶりに集中してウェブのコーディングをしたり、先週から iPhone アプリを作成する講座を始めたら、改めてプログラミングに触れる機会が増えた。

PHP だろうが、JavaScript だろうが、今はインターネット上にサンプルコードがごまんと載っている。それらを参考にしてカスタマイズしてしまえば、すぐにいくらでも新しいプログラミングを試すことができてしまう。
でもそこで毎回つくづく思わされるのが、「基礎を知らないと上達しない」ということ。

留学中、日本人の友達が私にこう言った。
「英語って、ある程度は上手くなっても、文法の基礎がないとそれより上のレベルに上がれないんですよ。」

彼女がこのことを他の友達から聞いたのか、英語の先生から聞いたのかは忘れたけど、これを聞いた当時ハッとさせられた。そう、土台がないと上へ上へと積み重ねて行くことができない。

それと同じことを、プログラミングをしていても毎回感じる。
きちんと基礎を知っていないと、どんなにいいソースをインターネットで見つけても、自分の用途のために加工して流用することができないし、どういう仕組みで動くのか分からなければ、いつまでたっても自分で作り出すことができない。

「英語の文法なんて、日本の英語教育や受験勉強でみっちりやったから自分は大丈夫」
…なんて鷹をくくっていたけど、いざ TOEIC だの英文ライティングだのすると自分の基礎力の不足をつくづく認識。お正月開けの授業の最初のディスカッションでも「ここはそうじゃなくて、こう言うべき…」とこっそり教師からメモを渡されて直される始末。

まだまだ、英語もプログラミングも基礎が足りないのです。
学ぶ日々。

2011年1月17日月曜日

アプリクリエイター道場に参加

 ※参加者全員が MacBookPro を使っている様子は壮観! 
  写真は Xcode からシミュレータを立ち上げているところ。

コーディングで年が明けたことが暗示しているように、今年はどうも制作に励むクリエイター年になるらしい(ちなみに今年の抱負は、007 シリーズを全部観ること)。


先週末から、自由大学で「アプリクリエイター道場 初級編」に参加。
今回が第一期のこの講座は、皆で iPhone 向けの電子書籍アプリを作ろうというもの。

「プログラミング経験者」であることが参加条件になっていたため、ハードルはやや高め。

かくいう私も、最近はディレクション中心だし、職場のウェブの更新も CMS を使うので高度な技術を使う必要がないから、プロボノプロジェクトのコーディング時さえしばらく手間取った。今までガリガリとプログラミングをする制作者だったこともないし、一番それらしいことをしていた留学時代からもかなりのブランクがある。

開講ぎりぎりまで悩んだけど、意を決して参加。
講義で使う Objective C はおろか、 C 言語は全く使ったことがないけれど、これを気に、JavaScript や PHP の時にやった基礎を振り返ることにしよう。

初日に教室に行くと、受講者は私も含めて 4 名。
同じようにギリギリまで悩んで、講師のカウンセリングを受けてから受講を決めた人もいた。

講義は教科書の「基礎から学ぶ iPhone アプリ開発」をベースに進められる。
もちろん本を読み進めれば、アプリの作り方は理解できるようになるけれど、技術用語が続いて挫折しそうになることも…。その点、講師の解説があると、ちょっとしたコツやアプリ制作に関わる話も聞けるし、安心してついていける。

びっくりしたのは、Apple がアプリ開発のために提供している便利なツール、Xcode !
無料で提供されているツールだけど、簡単に美しいレイアウトを作成できるモジュールや、プログラミング中に間違えても簡単に前の段階に戻れる機能も豊富に取り揃えられていて、なんとも心強い。

HTML のコーディングの時にも、あるコードを加えたらいきなりレイアウトが崩れてしまい、冷や冷やしたことは少なくない。そんな時もこの機能があれば、気が狂いそうにならずに済むというもの(もちろん、有料のツールならいろいろ便利な機能もついて来るけど…)。

新しいツールと世界を知って、なんだか新しいオモチャを与えられた子どものような気分。

最後まで続けられるよう、この 5 週間がんばろう。

> 他の受講生、アスカさんのブログはこちら

2011年1月13日木曜日

[プロボノ日記] NPOと最終確認ミーティング

毎月のように訪れていた。青い空さんの事務所のある板橋区大山。

「もうここにくるのも今日が最後かなあ」と、最初に訪れた夏の頃を思い出しながら、待ち合わせ場所で他のメンバーを待つ。

今日は、いよいよ制作したウェブサイトのお披露目の日。
いつもと違って、事務所のテーブルにノート PC を 2 台並べ、それをぐるっと事務所の方々が取り囲んで、心待ちにしている。

まず、文章を担当したコピーライターから、どの様な意向でもとの原稿を編集したか、全体の制作意図を説明。そして、いよいよ制作したサイトを 1 ページずつ見せながら、説明したり、不明な点を確認する。

この日までに青い空さんの方で見たことがあったのは、トップページのデザインだけ。実際のウェブプロジェクトだったら、これはかなり大きな賭けだが、初めてリニューアルされたサイトを見た一同は、サイトに掲載された的確にまとまった文章や、ロゴがわりに載っていたイメージキャラクターを発見して嬉しそう。

撮影した写真がレイアウトされ、馴染みのメンバーの姿を発見すると盛り上がった。
感心したり、うっとりしたり(?)、思っていた以上に喜んでくれたようでこちらも嬉しかった。

一通りページの説明も終わり、多少修正箇所があるものの、大きく意見が食い違うところもなく、打ち合わせは無事に終了。まだコーディングも完全ではないけれど、今日のお披露目は成功だった。

連日の深夜作業続きで、この日は私の眠気もピークだったけど、メンバー全員もホッとしてか自然と満足げな笑みがこぼれる。

あともうちょっと!

2011年1月11日火曜日

[プロボノ日記] 制作 BGM(その2)

前回に引き続き、BGM について。

明日は NPO の事務所で最終確認のミーティング…という前日。
最後の微調整や残っていた部分のコーディング。

制作作業をしている時に、BGM は大切な仕事の友(供)。
今日は作業中の BGM に何をかけようか。

そうだ、家にあったショパンの全作品集を途中まで聴いてそのままにしていた。せっかくだから、残りをかけてしまおう、と思いつく。

よく通販で売っているような、著作権が切れたぐらい昔の音源を集めた CD 集だけど、ノクターンがあり、マズルカがあり、「ああ、やっぱりショパンは素敵、このどこか憂いを帯びて、繊細な感じがたまらない」と溜息がでそうになる。

と、次に流れてきたのは「葬送行進曲」。

このタイミングでこの曲かあ…。これを聴きながら制作ってどうなんだろう。
なおさら複雑な気分。

2011年1月2日日曜日

もちを焼いて想うこと

毎年お正月というと、わが家では祖父母の家から引き継がれた、昔懐かし電熱器のもち焼き器でお雑煮用のおもちを焼く。

とくに担当が決まっているわけではないけれど、毎年もち焼き担当になる私。

今年も家族の人数分のおもちを交互に焼きながら、こまめに焼き加減を見て網の上のおもちをひっくり返す。

おもちって本当におかしなもので、あるところから突然「ふにゅー」と軽い音を立てて、今までの 2 倍はあるんじゃなかろうかという大きさにまで膨張する。その沸点に達した時の変貌ぶりには、毎回感嘆せずにいられない。

そんなおもちを焼きながら、「やきもちを焼く」とは、なんとも愛嬌のあるいいまわしだよなあ、とつくづく感じ入ってしまう。

何かの折に、突如意中の相手のライバルを見出して嫉妬の想いに駆り立てられる。それが「ふにゅー」「ぷわーん」と一気に膨れ上がるおもちにかけらているのが何ともユーモラスで、この言葉を考えついた人のセンスに脱帽。

そこまで一気に膨れ上がるおもちだけど、一度火から下ろすと途端に縮んでしまう。
嫉妬に駆られる想いの方はどうだろう。やはり喉元過ぎれば熱さ忘れる? いや、必ずしもそうとは限らないけれど。

2010年12月27日月曜日

[プロボノ日記] 制作 BGM(その1)

会社が年末年始の休暇に入ったら、すっかりコーディング漬けな日々。

このところ、どうも煮詰まることが多い。
しかも周りはお休みモード。

制作作業中にかける音楽は結構重要。
そして、その曲をあとから聞くと、作業に没頭していた(追われていた?)頃を思い出して、ほろ苦い思いをしたり、切ない気持になったり。

私の場合、単調に同じアルバムを何度も何度もかけるタイプ。
留学中にウェブサイトやアニメーションの課題を作っている時には、Underworldの「A Hundred Days Off」をヘビーローテーションでかけて、半トランスになりながら制作していたことを思い出す。

新年に向け周りの人が盛り上がっている時に、コーディングでつまづいて、大掃除もできない時に私が聴いていたのが、カエターノ・ヴェローゾのベスト集「アントロジア」。

ブラジルの巨匠の 2 枚組アルバムをかけて、緩やかなラテン音楽の世界に身を委ね、「上手くいかなくったって、もうどうでもいいや」と逃避気味。

ポップスバージョンの「Cucurrucucu Paloma」を聴くと、ウォン・カーウァイ監督の香港映画「Happy Together」を思い出したり、気分はすっかり逃避モード。

温かなラテンのリズムとゆったりとした明るいメロディーがぐるぐると空を流れていく。

2010年12月20日月曜日

[プロボノ日記] 制作フェーズも佳境に入りつつ…

週末、用事でちょっと塞がっていたら、あっという間にプロジェクトのメーリングリストのメールがたまってしまい、今日はそれぞれに返事を書くだけで、ほとんど一日が終わってしまう。

いよいよ具体的な制作フェーズ。

 コピーやテキストの作成
     ↓
 デザイン作成
     ↓
 コーディング
 ※私の担当

の流れが三段階に分かれて繰り返されて、今はその第一段階目。今まで以上に具体的な指示や疑問点がやりとりされて、通常の業務のよう。

プロジェクト用の管理ツールを使っているものの、ファイルをやりとりするには少し不便なので、Illustrator のような大きめのデザインファイルは firestorage を使って受け渡しをすることにする。

デザイナーが作成してくれたデザインを受け取って、ダウンロードするだけでもかなりの重さ。
Zip にまとめられたファイルを解凍すること数十分。

解凍されたフォルダの中を見ると、そのファイルの数に気が遠くなる…。

2010年12月2日木曜日

[プロボノ日記] 基礎クリエイティブ提案

今日は 1 ヶ月ぶりに、大山の青い空さんの事務所を訪ねて、基礎クリエイティブ提案を実施。

デザイナーが作成したデザイン案を見せ、コピーライターは作成したコピーや原稿について説明する。

さらに、今までに NPO さんからいただいた原稿に関する意見交換や質疑応答、逆に NPO さんの方で不明確・困っている点について回答していく。

いつもはうちのチームの進行役はプロジェクトマネジャーの役割。
でも今日の主役は、デザイナーとコピーライターだ。

さすが、二人とも日頃から行っている業務だけに、提案内容も話の進め方もしっかりしていて(当たり前だけど)、傍らにいる私は落ち着いて聞いていられる。

この部分はプロボノで最も大切なところではないか。
もし、他のメンバーのスキルがあやふやなことが分かると、メンバー間の信頼関係や役割分担もぐらついてしまう。 

しっかりと今まで仕事をしてきた人だからこそ、安心して分担を任せることができるし、その確立された仕事ぶりからこちらも学ぶことがある。そこが学生のサークル活動やボランティアとは格段に違うところだ。

ふと提案を聞きながら、自分が日々おこなっている業務と比べてしまう。

今の職場では自分の役割がどんどん限られていき、このように 1 から何かを作る機会はほとんどなくなっていた。毎日、いろいろな部署から寄せられるリクエストに基づいて、ウェブを更新したり、新しいコンテンツを作るために、ベンダーに作業を依頼し、全体のスケジュールや調整役に徹する。

自分で手を動かしてページを作ることもあるけれど、業務のほとんどがディレクション。
しかも、最近は打ち合わせに出ることもほとんどなく、出ても、進行役に任せて、たまに質問したり答えたりするぐらい。

もちろん、それだってここまで慣れるのに時間も手間もかかったけれど、今回のプロボノプロジェクトのように、全く新しいものを作り上げていくことに比べれば、ずっと楽なことに思えた。

ただこなすだけの仕事

…このご時世、仕事があるだけいいことかもしれないけれども、なんだかそれがずっと続いていては物足りなさを感じてしまう。

次々と上がってくる NPO 側の質問に一生懸命答える二人の横顔を見ながら、またもや「自分ももっとがんばらなくっちゃ」と少し焦りも混じった思いが込み上げてきた。

2010年11月24日水曜日

[プロボノ日記] 基礎クリエイティブ提案、プレミーティング

今月2回目のメンバーミーティングでは、来週の青い空さんへの基礎クリエイティブ提案に先駆けて、今日までにもらった原稿や画像素材の確認、そして次回のミーティングで提案する内容について意識合わせをする。

今日から新メンバーとして、カメラマンの今井さんが援軍に加わる。
彼もイギリス留学経験者で、イギリスネタを共有できる人が増えるのがまた嬉しい。

まず、NPO さんから届いた原稿を 1 つずつページと付き合わせる。
先方も朝の 5 時まで作業をしていたり、やる気満々。ところがいざ受け取った原稿の内容を見てみると、こちらが想定していたものと違っている。

「これはこっちのページに入れたらいいんじゃない」
「あれっ、この内容じゃあ、こっちでイメージしているものと違うよねえ」

ワイヤーフレームやサイトマップで意識合わせをしたはずが、こちらの意図と微妙にずれた内容や、先方が提案した案と異なるものまである。今回はそこまで大規模なウェブサイトを作るわけでもないのに、こんなに原稿内容の確認に注意が必要とは想定外。

今回は時間も限られているので、先方に確認するのを待つより、一旦こちらで作成したものを提出して検討することにする。

やはり難関は子ども用ページ。
1 ページだけ作ることになっているのだが、原稿を見るとクイズ形式(?)、ゲームのような動き(?)とも捉えられるような箇所まである。これには一同揃って唸ってしまう。

「あれだけ説明して話したのに、結局また元に戻っちゃってるよ」
「どうしても子どもが使うウェブサイトを作るって考えが染み付いているんだね」

意思の疎通とはなかなか難しいものだ。

最近はメールやインターネット電話が便利に使えるようになって、遠隔地の拠点同士で一緒に仕事をするケースも増えたけど、わたしたちのプロジェクトも、もし月に数回でも顔を合わせる打ち合わせがなかったら、どうなっていたんだろうと考える。

最後に、いつもと同様に今後の作業の流れとスケジュールを確認(左はスケジュール管理表)。

いよいよプロジェクトの最終段階にさしかかって、ついに私の作業も始まってしまう。

「ああ〜、ついに…」というのが正直なところで、「 やっと自分の出番が来たぜ!」という前向きな思いとは少し違った。ここまでスケジュールに遅れずにやってこれたので、私のせいで遅れが生じないよう頑張らなくては。

今日はミーティングを早めに終えて、久々にメンバーで飲んで帰る。
本当は新しいメンバーを囲んだ会になるはずが、残念ながら彼は用事があって抜けてしまったので、なじみのメンバーでの会。少しずつ、気が付かないうちにチームらしさが増していく。

2010年11月20日土曜日

[プロボノ日記] 朝日新聞に登場

今朝の朝日新聞の「人生デザイン」という社会面のコーナーに、わがプロボノチームのインタヴュー記事が掲載された。

おかしかったのは、同じチームのメンバーたち。
記者の方が教えてくれた掲載日が 1 日ずれていて、新聞を見たものの、記事が見当たらなくてそわそわ….。

普段メールのやりとりがないような時間帯にまで、
「記者の人が今日だっていうんで、見てみたんだけどの載ってないんだよねえ。神奈川県版だから?」
「社会面の記事なら、全国一緒なはずなんですけどね…」
とメーリングリストに返信が続く。

内容確認のため、あらかじめ記者の方から原稿を見せてもらってはいたものの、まだレイアウトが組まれる前の状態だったので、実際に記事を読んでびっくり。

カラーで、しかも紙面をかなり占めている。
前週は白黒の記事だったので、この違いにもびっくり。

現在、サービスグラントで稼働しているプロジェクトはいくつもあるので、他のチームのことも紹介されているのかと思ったら、わが青い空チームだけが取り上げられたことにもびっくり。

先日取材を受けただけでも、チームの結束力がさらに高まったのに、これでさらにやる気もアップ。微力ながら、この記事を読んで、プロボノの認知度が少しでも高まって、プロボノを実践してくれる人が増えるといいな。

[プロボノ日記] デザインについて考える



前回のミーティングから少しバタバタしてしまって、しばらくチーム内のメールのやりとりにも返信ができない日々が続いてしまった(長く感じたけれども、じつは1週間も経っていなかった…)。

デザインに関して、NPO 側から回答があった。
継続して話題になっているのは、NPO のイメージキャラクター画像の掲載について。

NPO 側としては、今まで長らく親しんできたキャラクターをいろいろ活用したい様子。
キャラクターをワンポイント的に使う分には問題ないが、あまりにも沢山サイト上に露出させると、どうしてもポップで子どもっぽくなってしまうことをメンバーで危惧。

「イメージキャラクターのファンサイトを作るのが目的ではない」というメンバーの声もあがってくる。

私も、ウェブサイトへのキャラクターの掲載については警戒はしていたけど、改めて考え直してみると、今のデザイン案通り、あるいはそれ以上に増やしてもあまり違和感はないように思えた。もちろん、これは個人的な好みや女性的な傾向なのかもしれないけれど。

今回リニューアルしようとしているウェブサイトには、大きく分けて5つの問題が見受けられた。
  • ターゲッティングの問題
    →サイトの対象者が不明で、的確な内容が掲載されていない
  • デザインの問題
    →素人っぽく、趣味サークルに見えてしまう、信頼感が得られない
  • ウェブデザイン・設計の問題
    →ナビゲーションに一貫性がない等、ユーザにフレンドリーでない
  • 掲載内容の問題
    →コンテンツが整理されていない、必要なコンテンツがない
  • 情報更新の問題
    →コンテンツが古いままで、更新されていない。
これらの問題点を改善するために、きちんと考えられたマーケティングやプランニング、デザインがされていれば、極端な話、キャラクター画像の掲載やその頻度もそこまでウェブサイトに深刻な影響を与えないかな、とも思えてきたのだ。

最後の「情報更新」は今後の課題だけど、これまでの制作過程からしても、残りはほぼ解決の目処がたっている。それで土台がきちんとしていれば、多少何を持ってきてもサイトの価値や方向性は揺らがないんじゃと。
それとは別に、この NPO が持つ独特の温かさ、やわらかさを表現してあげたかった。
もちろん、「やわらかいイメージ」=「キャラクターを使う」ではないし、イメージを出すのはデザインだけでなく、写真やコピーや掲載内容全てで表現することになるだろう。
ふとウェブデザインを根本のところから考えてしまった。
意見は分かれそうだけど。

2010年11月15日月曜日

[プロボノ日記] 新メンバー登場!

サービスグラント事務局の入谷さんから、嬉しい知らせが。

我が青い空チームに、強力な助っ人が加わることに!

ウェブサイトに掲載する写真を撮影してくれるフォトグラファー担当が決まったのだ。

きちんとしたウェブサイトを作るなら、掲載するイメージもとても大切で、
できるだけ NPO のイメージが良くなる、効果的なものを使いたい。

NPO の方々が一番輝いている時と言うと…
やはり何と言っても、個々の活動をしている時。

でも青い空さんの場合、学校でワークショップをしている際に
メンバーは全員ワークショップの進行役なので、写真撮影をできる人がいない。

それに、されど写真と侮るなかれ、
やはり本職の人が撮る写真は出来上がりが全く違う。

今まで青い空さんで撮りためた写真があまりなかったこともあり、
これでウェブ制作にも弾みがつきそうで嬉しい。

2010年11月10日水曜日

[プロボノ日記] プロボノチーム、新聞社の取材を受ける

昨日は、NPO 側からもらったフィードバックをめぐって、いつもと同様に喧々諤々と打ち合わせ。

じつはこの日はいつもと違って、ミーティングの後に新聞社の方の取材が入っていた。

「つながる」を毎週テーマに書いているコーナーで、今度はプロボノをテーマに取り上げることになったらしい。そして、たまたまその取材先として、私のプロボノチームに白羽の矢が立ったのだ。

この日はマーケッター以外の、プロジェクトマネージャー、コピーライター、デザイナー、そしてコーディングの私の 4 人が参加。それにサービスグラント事務局の入谷さんが同席。新聞記者の方の質問に、ミーティングとは違ったテンションが走る。

まず一人ずつ自己紹介をし、年齢を訊ねられ…

じつは今のメンバーと一度も年齢の話をしたことはなかった。
「なんとなくこの位かな」という予測位はあったけど。

初めて分かったのはメンバーの年齢だけではなかった。
なぜプロボノを始めたのか、いつサービスグラントのスキルボランティアに登録をしたのか、全員の詳細は知らなかった。

私は 3 月に登録して、7 月にプロジェクトの招集が来たけれど、他のメンバーはもっと長い期間待たなければならなかったなど初耳。

何しろ、いつも夜分のミーティングで、終わるのも夜 10 〜 11 時ぐらい。終電のことも考えると、その後で一杯ひっかけるだけの時間もない。プロジェクトのメンバーと飲んだのは、最初のキックオフと、たまたま一回だけ打ち合わせの後に渋谷で時だけだったのだ。

でも、飲み会はしなくても、一緒にプロジェクトをしていくうちに、ちょっとしたところで一人一人の癖も個性もにじみでてくる。たった半年のプロジェクト、会うのは月に 1、2 回という間柄だけど、共に何かを作り上げる経験というのは、初めての人同士をつなげるのに充分有効的な方法だ。

今年は自分なりにいろいろ新しいところへ出て行こうと、習い事をしたり、今流行の読書会やオフ会に足を運んだこともあった。こうした場だと、今までネットでつながってきた人々は不思議と今までの共通の話題もあって打ち解けやすい。

でも……
やはり名刺を交換し、その場限りの関係で終わってしまうことがほとんど。
これは仕事で参加したことのある異業種交流会でもそうだった。

名刺の数は増えるかもしれないけど、一年も経たない内に、「この人、どんな人だったっけ?」なんてことになりかねない。

インタビューを受けるうちに、気を良くした我がメンバーたちは、次々と語り始めてとどまるところを知らない。その中で、これまでの 3 ヶ月の間に得たもの、発見をいろいろ聞くこともできた。

「NPO と企業の関係だと、NPO が企業からのサポートにありがたみを感じたりすることは多いけど、企業も逆に NPO から学ぶものがある」と切り出したのはプロジェクトマネジャー。NPO は、熾烈な競争社会の渦中にある企業が忘れてしまった、情熱や理想といったものを持っている。企業はそこから学ぶことがあるというのだ。

確かに、NPO は専門知識だけでなく、そうした精神面で企業に与えるものがあるなら、双方にとってもとてもよいことだ。

他にも、プロボノをすることで、今の自分の仕事や立場を見直すことができた。
自分では無為に目の前のことをやってきただけだと思っていたけれども、じつはその積み重ねの内に、充分誇れるスキルを身につけていたのだということにも気づかされる。それぞれが異なる仕事をもつだけに、チームとしてまとまると、各々の役割分担は明確だ。

また、途中メンバーが抜けたり、足りない部分を残されたメンバーで補い合ったり、決して全てが計画どおり、順風満帆に進んだわけではないけれど、危機がある度にそれがチームの結束力を高めてくれたのかもしれない。そういう意味では、何か問題が起こっても、それは「人生のスパイス」ならぬ「プロジェクトのスパイス」となるのだろう。

7 月にプロジェクトを始めてからちょうど折り返し地点。
いいタイミングで、この取材が我々チームの振り返りになったようだ。

インタビュー中の他のメンバーの発言を聞きながら、
そして、これまでの経緯を振り返りながら、このメンバーで一緒にできて本当によかったとしみじみと感じ入ったり、コーディネートしてくれたサービスグラントさんに感謝したり。

はちまちをまき直し、これで残りの制作作業にも気合いが入りそう。

[プロボノ日記] 制作プランのフィードバックがやってきた

前回の制作プラン提案について、NPO 青い空さんからフィードバックが届く。

青い空さんは、毎回組織内での合意を取りながら、期限までにきっちりまとめたコメントを返してくれる。それが今回は少し押し気味で来たところにも、提案について先方の内部で調整が難航していたことを暗に示している。

青い空さんからいただいた制作プランのフィードバックに沿って、もう一度、サイトマップやワイヤーフレームといった資料を最終確認し、次のフェーズである制作作業へと進んでいく。

他のプロボノ案件と比べても、私たちのチームの青い空さんは内容についてとてもコメントが多いそうだ。それだけこちらもやりがいが大きくなるというもの!?

このフェーズで主役となるのは、コピーライターとデザイナー。
私は二人に過度に介入しないように、各担当者がどのような狙いで先方とのやりとりを進めようとするのか見守る。

プロボノは自分がどこまでプロジェクトに参加するかも、各々の自主性にゆだねられている。極端な話、自分の担当するフェーズだけを守れば、それ以外は参加しないのだってあり。

私の場合、初めてのプロボノプロジェクトを見届けようという気持ちと、せっかく協働しているのだから、普段直接一緒に仕事をするチャンスのないコピーライターやデザイナーの仕事のやり方をのぞいてみたいという気持ちもあって、最初から最後まで、できるだけミーティングも参加することにしてみた。

デザイナーの経験からすると、今の時点でどんなリスクが想定されて、それを防ぐためにはどう進めたらいいのか…とあれこれ全員で話し合った作戦会議。

先方のこだわりの 1 つとして、イメージキャラクターのライトちゃんの露出がある。
ライトちゃんをサイトデザインのポイントとして使用するのは雰囲気もやわらかくなっていいものの、多用しすぎると大人が見るサイトには似つかわしくなくなってしまう。

先方の要望は取り入れてあげたいものの、客観的な立場からするとここは「NG」を出すべきところ、とメンバー全員で意見が一致した。

もう1つのこだわりが、子ども向けのページ。
そもそも、子どもはあまり青い空のウェブサイトを訪れることはないだろう、という認識を関係者ヒアリングの後も強めていたため、できるだけ内容を薄めて、他ページに注力しようと提案してきた。

今までも議論を重ねてきたが、今回は初期案に戻ってしまったようで、まだ検討は続きそう。

このプロジェクトで青い空さんと私たちとで議論する山場となり、最後まで作業にかかるページになりそうな模様。

これが仕事上のことだったら、「どうしよう!」と全員もっと青ざめた顔で喧々諤々の議論をしていたかもしれないが、そこがプロボノのいいところ、「これも私たちのプロジェクトを思い出深いものにするスパイスみたいなもの」と思えるほど余裕を持てること(わがプロボノシニアチーム故か)。

先方の熱意にほだされ、内容は引き続き検討するものの、このために独立したページを設けることは全員合意。

具体的な制作に進んでいくにつれ、打ち合わせの口調も熱を帯びてくる。
スケジュールを確認しながら、残された作業日が決して多くはないことも分かるとなおさらだ。

2010年10月27日水曜日

英語と芝居の修業は同じ!?

まだ英語のコースが始まって2 週間ということもあって、次の授業までにきちんと宿題を終え、時間が許すかぎり復習をする。

毎週、キーになる言い回しをいくつか授業で紹介される。
最初の週は、相手の言うことがよく分からない時に言うフレーズ。

 What do you mean by? それはどういう意味ですか?
 What do you mean exactly?  正確にはどういう意味ですか?
 Could you be more specific? もっと詳しく話してもらえませんか?

などなど。

一番聞き慣れないフレーズを口惜しくて何度も繰り返す。

 Could you run that by me again? もう一度説明してください
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?

まるで芝居でセリフを覚える時みたいだ。何度も何度も口にすることで、すっかり体になじませ、自然に流れるように出て来るまで続ける。ごく自然に口をついて言葉が出るようになって、初めて次に進める。

これがダンサーであれば、振付が体に染み込むまで、何度も何度もステップを繰り返す。先日観たドキュメンタリーの中の吉田都さんも全くその通りだった。

星飛雄馬であれば、納得が行くまで何度も何度も投球や打球を繰り返す。

演劇であれ、舞踏であれ、スポーツであれ、まずは基礎となる部分を繰り返し、無意識でも出てくるほどにしっかりと体に定着させる。それができて、やっと自由な表現ができる。その傾向は、伝統芸能であればさらに強まるのだろう。そんな劇団時代に習ったことを思い出す。

今日はアメリカのチームと電話会議をしていて、もう一つのフレーズの方がすっと頭の中に浮かんだけど、何度も繰り返したCould you run that by me again? の方は全くと言っていいほど出て来なかった。だめだ、まだまだ体に染みついていない…。

 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?
 Could you run that by me again?

今日も念仏のようにぶつぶつ繰り返すしかない。

[プロボノ日記] 予定大幅変更の恐れ!?

中間提案のさらに先、先週ワイヤーフレームやサイトマップを囲んであれこれと検討した内容を今日は再度 NPO に提案した。

今日は、リーダーとデザイナーとコピーライターと私。マーケッターは仕事のためお休み。そして NPO 青い空の皆さん。さらにサービスグラント事務局から 2 名と、今回も大所帯。 青い空の皆さんが用意してくれたおにぎりやちらし寿司、煮卵などのお総菜をいただきながらの打ち合わせ。

サイトの構成とともに、どのような原稿を書いてほしいのか、どんな写真素材が必要かなど、具体的なコンテンツ制作に関わる部分も確認する。さすが、仕事で経験を積んでいるデザイナーとコピーライター。

自分達では、もうこれ以上ないという準備の施しようだったし、昨日の「120 %の準備が自分を支える」ということばをつい思い出す。

しかし、青い空さん 側からいろいろと質問を受け、思いがけない要望も上がってきた。

今まで、青い空さんのおもな活動内容は CAP で、今回のサイトのおもなコンテンツも  CAP をメインの内容に据えて構成やコンテンツを練っていた。それが、その他の活動内容のセルフディフェンスとデート DV も同じ重み付けをしたいという声があったのだ。

そうなると、サイトの構成が変わり、1 番上位の階層に新たに 2 つの項目が追加されることになる。ウェブサイトで言えば、グランドメニュー (よくサイトの 1 番上や左側に並んでいるメニュー)に変更が生じることになる。

影響はサイトの構成だけではない。
主題が多様化すれば、サイトで訴えたいメッセージが変わり、デザインもコピーも変わってくる。

もちろん、NPO 側でどうしても必要な内容であれば追加する。
ただ、あまり多様化しすぎても主張が薄まってしまって、サイトを訪れた人に何を訴えたいのか伝わりにくくなるリスクもある。サイトの持つ訴求力を考えると、むやみに核となる部分を広げすぎない方がいいと、デザイナーとコピーライター担当からはアドバイスをしておいた。

ふと先日参加した css nite で、株式会社ワンパクの阿部 淳也さんが話していた、関係者巻き込み型の要件定義を思い出す。制作の上流から発注者も巻き込み、一緒に作業をしていくことで、発注者側にも当時者意識が芽生え、常にお互いに同意の上で制作を進めていくので、作業の手戻りのリスクが確実に減るらしい。

いつも一緒に作業を進められたら、実現できるし、これは関係者全体が無駄なく、同じベクトルに向かって行けるいい案だ。

でも、逆に離れて作業することを嘆くだけの必要もない。発注者と距離を取れていると、相手の意見に同調することなく、客観的にプロジェクトを見ることができる。そうした期間にアイデアを熟させて、練ったものを発注者とシェアすればいい。

…と少し脱線したが、
最後にサプライズとして、デザイナーが作成したデザイン案 2 種類を公開。

デザイナーが作成したデザイン案を2種類を紹介すると、少し議論が行き詰まりかけていた雰囲気の中でふわっと歓声があがる。

最終的に目指す形を具体的なイメージで提示できるのは心強い。
お互いに理解が足りない部分があったり、まだ不明確なままの部分があっても、「最終的に目指していくものはこれなんです」とゴールが見えると、そのゴールに到達するためなら、今の議論も悩みもなんとかしよう、と意欲が湧いてくるのだ。

お互いに意見や質問を十分に交換し合うと、あっという間に10時半。
外では強い風がピューピュー吹いている。
 
さて、この提案を踏まえて、どんなフィードバックを NPO サイドからいただけるのか楽しみにしていよう。

2010年10月26日火曜日

改めて、吉田都さんに感動

NHK の「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、元英国ロイヤルバレエのプリンシパルである吉田都さんが 2 度目の登場。

今回は「元」がついてしまうように、15 年以上もトップダンサーとして活躍したバレエ団の最後の公演までの 3 ヶ月間を追ったドキュメンタリーだ。

ロンドンでの最後の演目の「シンデレラ」や日本公演の「ロミオとジュリエット」の様子も映し出される。ロンドン、そして何度通ったか分からないロイヤルオペラ劇場も。

通常、舞台中継をテレビで観てもいまいちだけど、彼女の演技、とりわけ私も生で観た「ロミオとジュリエット」の演技力はテレビの前にいても胸が苦しくなり、目頭が熱くなる。

たまたま見かけた「スーパーバレエレッスン」で講師役の彼女が、生徒を指導するふとした動きもそうだったけど、ともかく彼女は演技力・表現力が豊か。きっとそれは心も体も柔軟だからなしえているのだろう。心も体もやわらかくするって本当に大切だ。演劇をしていた時に何度も聞いたけど、柔軟性があるからこそ、相手の演技を受けることも、そして返すこともできて表現が豊かになる。

それは何も演技だけの話ではない。充分、日常生活でもあてはまる。心がやわらかさを失い、硬直してしまったら、世界から遮断され、生きる道を見失ってしまう。

以前、この番組でも垣間みられた彼女の毎日の生活は、優雅で美しい舞台からはかけ離れた、壮絶で苦しい闘いの日々。

体の故障に悩まされる肉体的な闘い、
東洋人としての外見のコンプレックスに苦しむ内面の闘い、
他のダンサーに追い越されないようにというプレッシャーとの闘い、
自分の踊りや演技との闘い……。

でも彼女は踊り切った。
比較されることの多い、同じバレエ団の花形ダンサーであるバッセルやギエムが去った後も、彼女は踊り続けて、自分の踊りの美を追求した。ともかく懸命に、がむしゃらに。

楽屋でトゥシューズの中敷を外し、滑りすぎないようにソールを削ったり刻んだりする。前の回では、足になじませるために新しいトゥシューズのつま先を床やへりに叩き付けていた。そんな様は、アーティストというよりも職人のよう。

ひたむきな情熱が彼女の踊りを支えてきたと言ってもいい。
だから外見に関するコンプレックスも飛躍するためのバネに変えることができたのだ。

自分が劇団にいた頃の外見に関するコンプレックス、
留学していた頃の語学力に関するコンプレックス、
そして海外生活での差別……

自分にも同じようなことがあったなと、今ではちょっぴりほろ苦い思い出が記憶をかすめる。

情熱が彼女の何にも勝る原動力だったからこそ、番組の中でも何度か漏らしていたように、「なんだか安心してしまっている自分」になってしまっては、今までと同様、貪欲に踊り続けることは難しいといち早く察したのだろう。

自分の頂点で退く、そうした選択肢を得た彼女は勇敢であり、潔く、そしてそれを選ぶことができたのはとてもラッキーなことだった。同じようにダンサーとしてのキャリアの絶頂で引退したダウシー・バッセルと同様に、それだけ自分の踊りへのこだわり、美への強い執着があったのだろう。それがまたカッコいいのだ。

人間は本当に上手くできていると思う時がある。
年齢を重ね、体力が落ちて弱くなっていくとともに、これ以上望まないようにと心も安定していき、あまり冒険をおかそうとは思わなくなっていく。無理に頑張りすぎるのもどうかと思うが、吉田さんの場合、心の持ち方でこうも見事な去り際を飾ることができるものかと、ただひとしきり感心するばかり。

「120 %の準備が自分を支える」という彼女のことば、

そして、プロフェッショナルとはと訊ねられて彼女が答えた

「情熱と誇りを持って、ひとつのことをコツコツとやっていける人…」

その両方が私の心の琴線に触れた。

私もまだまだだな、もっともっとできることがある。
今からでもまだ間に合う。

参照:NHK「世界のプリマ 最後の闘いの日々 バレリーナ・吉田都」