2010年11月24日水曜日

[プロボノ日記] 基礎クリエイティブ提案、プレミーティング

今月2回目のメンバーミーティングでは、来週の青い空さんへの基礎クリエイティブ提案に先駆けて、今日までにもらった原稿や画像素材の確認、そして次回のミーティングで提案する内容について意識合わせをする。

今日から新メンバーとして、カメラマンの今井さんが援軍に加わる。
彼もイギリス留学経験者で、イギリスネタを共有できる人が増えるのがまた嬉しい。

まず、NPO さんから届いた原稿を 1 つずつページと付き合わせる。
先方も朝の 5 時まで作業をしていたり、やる気満々。ところがいざ受け取った原稿の内容を見てみると、こちらが想定していたものと違っている。

「これはこっちのページに入れたらいいんじゃない」
「あれっ、この内容じゃあ、こっちでイメージしているものと違うよねえ」

ワイヤーフレームやサイトマップで意識合わせをしたはずが、こちらの意図と微妙にずれた内容や、先方が提案した案と異なるものまである。今回はそこまで大規模なウェブサイトを作るわけでもないのに、こんなに原稿内容の確認に注意が必要とは想定外

今回は時間も限られているので、先方に確認するのを待つより、一旦こちらで作成したものを提出して検討することにする。

やはり難関は子ども用ページ。
1 ページだけ作ることになっているのだが、原稿を見るとクイズ形式(?)、ゲームのような動き(?)とも捉えられるような箇所まである。これには一同揃って唸ってしまう。

「あれだけ説明して話したのに、結局また元に戻っちゃってるよ」
「どうしても子どもが使うウェブサイトを作るって考えが染み付いているんだね」

意思の疎通とはなかなか難しいものだ。

最近はメールやインターネット電話が便利に使えるようになって、遠隔地の拠点同士で一緒に仕事をするケースも増えたけど、わたしたちのプロジェクトも、もし月に数回でも顔を合わせる打ち合わせがなかったら、どうなっていたんだろうと考える。

最後に、いつもと同様に今後の作業の流れとスケジュールを確認(左はスケジュール管理表)。

いよいよプロジェクトの最終段階にさしかかって、ついに私の作業も始まってしまう。

「ああ〜、ついに…」というのが正直なところで、「 やっと自分の出番が来たぜ!」という前向きな思いとは少し違った。ここまでスケジュールに遅れずにやってこれたので、私のせいで遅れが生じないよう頑張らなくては。

今日はミーティングを早めに終えて、久々にメンバーで飲んで帰る。
本当は新しいメンバーを囲んだ会になるはずが、残念ながら彼は用事があって抜けてしまったので、なじみのメンバーでの会。少しずつ、気が付かないうちにチームらしさが増していく。

2010年11月20日土曜日

[プロボノ日記] 朝日新聞に登場

今朝の朝日新聞の「人生デザイン」という社会面のコーナーに、わがプロボノチームのインタヴュー記事が掲載された。

おかしかったのは、同じチームのメンバーたち。
記者の方が教えてくれた掲載日が 1 日ずれていて、新聞を見たものの、記事が見当たらなくてそわそわ….。

普段メールのやりとりがないような時間帯にまで、
「記者の人が今日だっていうんで、見てみたんだけどの載ってないんだよねえ。神奈川県版だから?」
「社会面の記事なら、全国一緒なはずなんですけどね…」
とメーリングリストに返信が続く。

内容確認のため、あらかじめ記者の方から原稿を見せてもらってはいたものの、まだレイアウトが組まれる前の状態だったので、実際に記事を読んでびっくり。

カラーで、しかも紙面をかなり占めている。
前週は白黒の記事だったので、この違いにもびっくり。

現在、サービスグラントで稼働しているプロジェクトはいくつもあるので、他のチームのことも紹介されているのかと思ったら、わが青い空チームだけが取り上げられたことにもびっくり。

先日取材を受けただけでも、チームの結束力がさらに高まったのに、これでさらにやる気もアップ。微力ながら、この記事を読んで、プロボノの認知度が少しでも高まって、プロボノを実践してくれる人が増えるといいな

[プロボノ日記] デザインについて考える



前回のミーティングから少しバタバタしてしまって、しばらくチーム内のメールのやりとりにも返信ができない日々が続いてしまった(長く感じたけれども、じつは1週間も経っていなかった)。

デザインに関して、NPO 側から回答があった。
継続して話題になっているのは、NPO のイメージキャラクター画像の掲載について。

NPO 側としては、今まで長らく親しんできたキャラクターをいろいろ活用したい様子。
キャラクターをワンポイント的に使う分には問題ないが、あまりにも沢山サイト上に露出させると、どうしてもポップで子どもっぽくなってしまうことをメンバーで危惧。

「イメージキャラクターのファンサイトを作るのが目的ではない」というメンバーの声もあがってくる。

私も、ウェブサイトへのキャラクターの掲載については警戒はしていたけど、改めて考え直してみると、今のデザイン案通り、あるいはそれ以上に増やしてもあまり違和感はないように思えた。もちろん、これは個人的な好みや女性的な傾向なのかもしれないけれど。

今回リニューアルしようとしているウェブサイトには、大きく分けて5つの問題が見受けられた。
  • ターゲッティングの問題
    →サイトの対象者が不明で、的確な内容が掲載されていない
  • デザインの問題
    →素人っぽく、趣味サークルに見えてしまう、信頼感が得られない
  • ウェブデザイン・設計の問題
    →ナビゲーションに一貫性がない等、ユーザにフレンドリーでない
  • 掲載内容の問題
    →コンテンツが整理されていない、必要なコンテンツがない
  • 情報更新の問題
    →コンテンツが古いままで、更新されていない。
これらの問題点を改善するために、きちんと考えられたマーケティングやプランニング、デザインがされていれば、極端な話、キャラクター画像の掲載やその頻度もそこまでウェブサイトに深刻な影響を与えないかな、とも思えてきたのだ。

最後の「情報更新」は今後の課題だけど、これまでの制作過程からしても、残りはほぼ解決の目処がたっている。それで土台がきちんとしていれば、多少何を持ってきてもサイトの価値や方向性は揺らがないんじゃと。
それとは別に、この NPO が持つ独特の温かさ、やわらかさを表現してあげたかった。
もちろん、「やわらかいイメージ」=「キャラクターを使う」ではないし、イメージを出すのはデザインだけでなく、写真やコピーや掲載内容全てで表現することになるだろう。
ふとウェブデザインを根本のところから考えてしまった。
意見は分かれそうだけど。

2010年11月15日月曜日

[プロボノ日記] 新メンバー登場!

サービスグラント事務局の入谷さんから、嬉しい知らせが。

我が青い空チームに、強力な助っ人が加わることに!

ウェブサイトに掲載する写真を撮影してくれるフォトグラファー担当が決まったのだ。

きちんとしたウェブサイトを作るなら、掲載するイメージもとても大切で、
できるだけ NPO のイメージが良くなる、効果的なものを使いたい。

NPO の方々が一番輝いている時と言うと…
やはり何と言っても、個々の活動をしている時

でも青い空さんの場合、学校でワークショップをしている際に
メンバーは全員ワークショップの進行役なので、写真撮影をできる人がいない。

それに、されど写真と侮るなかれ、
やはり本職の人が撮る写真は出来上がりが全く違う。

今まで青い空さんで撮りためた写真があまりなかったこともあり、
これでウェブ制作にも弾みがつきそうで嬉しい。

2010年11月10日水曜日

[プロボノ日記] プロボノチーム、新聞社の取材を受ける

昨日は、NPO 側からもらったフィードバックをめぐって、いつもと同様に喧々諤々と打ち合わせ。

じつはこの日はいつもと違って、ミーティングの後に新聞社の方の取材が入っていた。

「つながる」を毎週テーマに書いているコーナーで、今度はプロボノをテーマに取り上げることになったらしい。そして、たまたまその取材先として、私のプロボノチームに白羽の矢が立ったのだ。

この日はマーケッター以外の、プロジェクトマネージャー、コピーライター、デザイナー、そしてコーディングの私の 4 人が参加。それにサービスグラント事務局の入谷さんが同席。新聞記者の方の質問に、ミーティングとは違ったテンションが走る。

まず一人ずつ自己紹介をし、年齢を訊ねられ…

じつは今のメンバーと一度も年齢の話をしたことはなかった。
「なんとなくこの位かな」という予測位はあったけど。

初めて分かったのはメンバーの年齢だけではなかった。
なぜプロボノを始めたのか、いつサービスグラントのスキルボランティアに登録をしたのか、全員の詳細は知らなかった。

私は 3 月に登録して、7 月にプロジェクトの招集が来たけれど、他のメンバーはもっと長い期間待たなければならなかったなど初耳。

何しろ、いつも夜分のミーティングで、終わるのも夜 10 〜 11 時ぐらい。終電のことも考えると、その後で一杯ひっかけるだけの時間もない。プロジェクトのメンバーと飲んだのは、最初のキックオフと、たまたま一回だけ打ち合わせの後に渋谷で時だけだったのだ。

でも、飲み会はしなくても、一緒にプロジェクトをしていくうちに、ちょっとしたところで一人一人の癖も個性もにじみでてくる。たった半年のプロジェクト、会うのは月に 1、2 回という間柄だけど、共に何かを作り上げる経験というのは、初めての人同士をつなげるのに充分有効的な方法だ。

今年は自分なりにいろいろ新しいところへ出て行こうと、習い事をしたり、今流行の読書会やオフ会に足を運んだこともあった。こうした場だと、今までネットでつながってきた人々は不思議と今までの共通の話題もあって打ち解けやすい。

でも……
やはり名刺を交換し、その場限りの関係で終わってしまうことがほとんど。
これは仕事で参加したことのある異業種交流会でもそうだった。

名刺の数は増えるかもしれないけど、一年も経たない内に、「この人、どんな人だったっけ?」なんてことになりかねない。

インタビューを受けるうちに、気を良くした我がメンバーたちは、次々と語り始めてとどまるところを知らない。その中で、これまでの 3 ヶ月の間に得たもの、発見をいろいろ聞くこともできた。

「NPO と企業の関係だと、NPO が企業からのサポートにありがたみを感じたりすることは多いけど、企業も逆に NPO から学ぶものがある」と切り出したのはプロジェクトマネジャー。NPO は、熾烈な競争社会の渦中にある企業が忘れてしまった、情熱や理想といったものを持っている。企業はそこから学ぶことがあるというのだ。

確かに、NPO は専門知識だけでなく、そうした精神面で企業に与えるものがあるなら、双方にとってもとてもよいことだ。

他にも、プロボノをすることで、今の自分の仕事や立場を見直すことができた。
自分では無為に目の前のことをやってきただけだと思っていたけれども、じつはその積み重ねの内に、充分誇れるスキルを身につけていたのだということにも気づかされる。それぞれが異なる仕事をもつだけに、チームとしてまとまると、各々の役割分担は明確だ。

また、途中メンバーが抜けたり、足りない部分を残されたメンバーで補い合ったり、決して全てが計画どおり、順風満帆に進んだわけではないけれど、危機がある度にそれがチームの結束力を高めてくれたのかもしれない。そういう意味では、何か問題が起こっても、それは「人生のスパイス」ならぬ「プロジェクトのスパイス」となるのだろう。

7 月にプロジェクトを始めてからちょうど折り返し地点。
いいタイミングで、この取材が我々チームの振り返りになったようだ。

インタビュー中の他のメンバーの発言を聞きながら、
そして、これまでの経緯を振り返りながら、このメンバーで一緒にできて本当によかったとしみじみと感じ入ったり、コーディネートしてくれたサービスグラントさんに感謝したり。

はちまちをまき直し、これで残りの制作作業にも気合いが入りそう。

[プロボノ日記] 制作プランのフィードバックがやってきた

前回の制作プラン提案について、NPO 青い空さんからフィードバックが届く。

青い空さんは、毎回組織内での合意を取りながら、期限までにきっちりまとめたコメントを返してくれる。それが今回は少し押し気味で来たところにも、提案について先方の内部で調整が難航していたことを暗に示している。

青い空さんからいただいた制作プランのフィードバックに沿って、もう一度、サイトマップやワイヤーフレームといった資料を最終確認し、次のフェーズである制作作業へと進んでいく。

他のプロボノ案件と比べても、私たちのチームの青い空さんは内容についてとてもコメントが多いそうだ。それだけこちらもやりがいが大きくなるというもの!?

このフェーズで主役となるのは、コピーライターデザイナー
私は二人に過度に介入しないように、各担当者がどのような狙いで先方とのやりとりを進めようとするのか見守る。

プロボノは自分がどこまでプロジェクトに参加するかも、各々の自主性にゆだねられている。極端な話、自分の担当するフェーズだけを守れば、それ以外は参加しないのだってあり。

私の場合、初めてのプロボノプロジェクトを見届けようという気持ちと、せっかく協働しているのだから、普段直接一緒に仕事をするチャンスのないコピーライターやデザイナーの仕事のやり方をのぞいてみたいという気持ちもあって、最初から最後まで、できるだけミーティングも参加することにしてみた。

デザイナーの経験からすると、今の時点でどんなリスクが想定されて、それを防ぐためにはどう進めたらいいのか…とあれこれ全員で話し合った作戦会議。

先方のこだわりの 1 つとして、イメージキャラクターのライトちゃんの露出がある。
ライトちゃんをサイトデザインのポイントとして使用するのは雰囲気もやわらかくなっていいものの、多用しすぎると大人が見るサイトには似つかわしくなくなってしまう。

先方の要望は取り入れてあげたいものの、客観的な立場からするとここは「NG」を出すべきところ、とメンバー全員で意見が一致した。

もう1つのこだわりが、子ども向けのページ
そもそも、子どもはあまり青い空のウェブサイトを訪れることはないだろう、という認識を関係者ヒアリングの後も強めていたため、できるだけ内容を薄めて、他ページに注力しようと提案してきた。

今までも議論を重ねてきたが、今回は初期案に戻ってしまったようで、まだ検討は続きそう。

このプロジェクトで青い空さんと私たちとで議論する山場となり、最後まで作業にかかるページになりそうな模様。

これが仕事上のことだったら、「どうしよう!」と全員もっと青ざめた顔で喧々諤々の議論をしていたかもしれないが、そこがプロボノのいいところ、「これも私たちのプロジェクトを思い出深いものにするスパイスみたいなもの」と思えるほど余裕を持てること(わがプロボノシニアチーム故か)。

先方の熱意にほだされ、内容は引き続き検討するものの、このために独立したページを設けることは全員合意。

具体的な制作に進んでいくにつれ、打ち合わせの口調も熱を帯びてくる。
スケジュールを確認しながら、残された作業日が決して多くはないことも分かるとなおさらだ。